FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった言葉で、経済的独立と早期退職を目標とするライフスタイルを指します。
サイドFIREとは、資産運用による収入を得つつ好きな仕事だけするライフスタイルを指します。
FIERとサイドFIREは似ているようで、非なるものです。
そして私は、さまざまな要因が重なり結果的にサイドFIREした人間です。
- ずっとやっていた営業の仕事を、定年まで続けていくことが怖くなった。
- 部署替えの希望をだしても、転職活動をしても、今までのキャリアと年齢的なもので、受け入れてくれるところが見つからなかった。(就職氷河期世代あるある)
- 第二子が生まれたが、妻だけのワンオペ育児は負担が多きすぎると感じたため、少しでも妻の負担を減らしたかった、また、子どもと一緒にいられる時間がもっと欲しいと思った。
- 元気だった父が、突然生死をさまようほどの、重い病を患い「死」を身近な存在として感じたことで、人生について自問自答する機会が増えた。
このような経緯ですので、ここではサイドFIREするための再現性のあるやり方をお伝えすることはできません。
しかし、サイドFIREするために会社員時代に知っておいた方がよいこと、サイドFIREする前にやっておいた方がよいこと、私が実際サイドFIREして思ったこと、サイドFIREして失敗したと感じたことを、ありのままに、なるべく分かりやすく解説していきたいと思います。
本記事は、今後サイドFIREしたいと考えている会社員に向けて書かれた記事になります。
サイドFIREする前に身につけておくべきスキル
私がサイドFIREして思ったのは、会社員時代のスキルで有効だったっものとそうでないものがある、ということです。
- 上司の顔を伺う能力
- 出世するための能力
- 無駄なことを無駄だと思いながらも割り切ってできる忍耐力
- 妥協・我慢
- 「やってますよ感を出す」能力
これらは、日本の多くの会社員が無駄だと思いながらも、必要に駆られて身についてしまう能力?ではないかと思います。
同じ会社にずっと所属するのであれば、必要に感じることもあるかと思いますが、本当のところ、これらの能力は自分の成長、結果的には会社の成長、もっというと社会の生長の邪魔になってしまうため、同じ会社にずっと所属するつもりであっても、なるべくこれらにリソースを割くことはやめた方がよいです。
- お金を稼ぐ(お金を生み出す)ための全体の流れ
- 社会性やコミュニケーション能力
- ビジネスマナー
- マネーリテラシー(お金の知識はあればあるほどよい)
- 専門的な知識や技術
- 自己管理能力
- 主体性
これらの能力は、サイドFIREしても最低限必要なスキルであり、会社員のときにこそ身につけられるスキルですので、これらにリソースを割いた方がよいです。
退職後のビジョンがあれば、必要なスキルが何か明確になってきますので、ビジョンを持つということも重要です。
サイドFIREして得られたものと失ったもの
私が、サイドFIREしたときに実際に感じたことです。
- 自由な時間
- 家族との時間
- やる気・気力
- 健康
やはり、これらを得られるということは、何にもかえがたい喜びといえるでしょう。
- 収入の安定感
- 社会的な信用
- 働いてるんだぜ感
- 休日前の高揚感
私の場合は、フリーライターという仕事をしていますので、収入の安定感は会社員のようにはいきません。
それにともない、社会的な信用も会社員ほどはありません。
それは、賃貸物件(アパート・マンション)を借りるときや、住宅ローンを組む場合、クレジットカードを作る際などの審査のハードルが上がってしまう、ということを意味します。
また、会社員時代に感じていた、「真面目に働いているんだから、文句言わないでくれよ」という、ある意味で強気な感情と、休日前の高揚感は失ってしまう大きなものといえるでしょう。
会社員なら、最低限きちんとやっておけば、成績が悪いときでも、決まったお給料はもらえますが、会社員を辞めてしまうと、そうはいかなくなります。
サイドFIREをして得られそうなことと、失いそうなことを天秤にかけて、それでもサイドFIREしたと思えれば、具体的に考えていってもよいでしょう。
ただし、お金に対しては、しっかり生活ができる見込みがないとうまくいきませんので、ライフプランをしっかりとシミュレーションしておきましょう。
ライフプランやサイドFIRE後のビジョンや、やりたいことがない人は、今すぐサイドFIREするのは、一旦やめておいて、来るべき時期がきたらサイドFIREしてもよいでしょう。
サイドFIREしてから気付いた失敗
サイドFIREした後になって気付いた失敗があります。
それは、会社員を辞めると分かっているのに、「人のために」働きすぎていたということです。
「自分のために」ではなく「人のために」というのは、人の目を気にしすぎいてたということです。
ですので、難しい仕事に挑戦することや、新しいことに挑戦する機会を失っていたと思います。
今思えば、「失敗してもよい経験ができる」くらいの感じで仕事をしてもよかったのではと思います。
まとめ
日本の会社員は、生きるために働くのではなく、働くために生きている、と揶揄されることもあります。
しかし、自分の身を犠牲にして働くために生きているにも関わらず、生産性がよいとは決していえず、無駄なことに時間と労力をかけているといわざるを得ません。
結果よりも、失敗しないことを良しと考える、事なかれ主義的な日本の風潮が、すべての元凶ではないかと思います。
無駄なことに時間と労力をかけてしまうということを習慣にしてしまうと、自分の人生そのものを実りのないものにしてしまうかも知れません。
私は、完全なるリタイヤをするFIREと、働きたいときに働きたいだけ働くサイドFIREは、まったくの別物だと思っていますが、会社員という枠から飛び出した「喜び」はFIREもサイドFIREも同じだと思っています。
もっというと、実際にFIREするのも、FIREを目指すのも、喜びは同じだとすら思っています。
自由を手にするために行動するというのは、その時点ですでに自由を手にしているのかも知れません。