私は、すぐに他人のご機嫌伺いをしてしまう癖がありました。
「こういうふうに答えたら気に入られるだろうな~」
とか
「こういうふうに動いたら喜ばれるだろうな~」
とかです。
しかし、そういった類のご機嫌伺いをしても、残念ながら実際に相手に気に入られたとか、喜ばれたかというとそれはまったくの別問題でした。
むしろ、逆効果だったと思います。
私にとって、それが癖になっていたので、相手に合わせすぎて、本音や本心で話したり、動いたりするのがとても苦手でした。
しかし、そんなことはすぐに相手に見破られます。
当たり前ですよね。
相手からすると、本音や、本心で話したり、動いたりしない人間に対しては、壁を感じてしまうのです。
壁を感じた人間に対しては、相手からも、本音や、本心で話したり、動いたりしてくれないのです。
「なんか人間関係って疲れるな~」って思ってた時期でした。
それと同時に「このままでは、人間関係に満足することは一生ないのでは?」という不安を感じていた時期でした。
現状に満足できないのなら、何かを変えないといけない。
そう思って取り組んだことは、
「他人と自分を比べない」
「他人に甘えてみる」
ということでした。
「他人と自分を比べない」ということの意味は、人間ひとりひとり個性があり、優れているとか、劣っているとか、そんなものはそもそも無いのだと心から理解することです。
確かに、テストの点数だけで考えると、70点より100点の方が高いかも知れません。
しかし、ずっと100点をとりつづけることは不可能に近いですし、毎回テストで100点をとりつづけている人は、友達と遊んだり、家族と旅行に行ったり、プライベートの楽しい思い出を作ることを犠牲にして、勉強をしているかも知れません。さらに毎回100点をとらなければいけない、という思い込みでとんでもないプレッシャーを感じているかも知れません。
反対に、70点の人は友人と遊んだり、家族と旅行に行ったり、プライベートも充実しているかも知れません。
テストの点数だけを見ると、高い、低いはあるかも知れませんが、どっちの人が良い、悪いではなく、単にテストの点数にこだわりたいと考えている人と、プライベートを充実させたいと考えている人の考え方の違いなのです。
そう考えると、 人間ひとりひとり個性があり、優れているとか、劣っているとか、そんなものはそもそも無いのだと、理解することができると思います。
「他人に甘えてみる」というのは、それをやったことがあまり無い人にとっては、簡単そうで実は難しいことかも知れません。
しかし、難しいけどそれができるようになると、人間関係の幅が必ず広がります。
でも実は私も、「他人に甘える」ということは、自分の弱みを見せるようで少し抵抗がありました。
しかし、「弱み」と感じていることは、実は「弱み」ではなく、誰しも持っているものであり、それを隠すか、隠さないかは自分次第だと考えるようにしました。
他人に甘えるというのは、「なにも考えずに本音で付き合うこと」と言い換えれらるかもしれません。
それは、相手の考えを尊重したり、リスペクトするということにもつながっていくでしょう。
余談ですが、相手に「隠し事をしない」、ということや、「嘘をつかない」でいられることは、すごくラクですし、心の視界がすっきりとしてくる感覚を感じられます。
「他人と自分を比べない」と「他人に甘えてみる」ことは、自分も相手もラクして、楽しい人間関係を構築する上で大切なことなのです。